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3-3 人と森は共存できるのか?

ドイトゥンの開発地域には、6の部族がおり、それぞれが独特な伝統文化を持って生活しています。したがって、この地域を開発するうえで念頭に置かなければいけないことは、「彼らの伝統文化を失わずに、安定した収入源が得られること」と、「自然森林を守ること」の両方が必要になってきます。ですが、治水政策でもみたように、人間の生活は必ず自然に負担をかけてしまいます。そこでドイトゥン開発プロジェクトは、人々と自然が共存できるためのゴールを定めました。

それが、上のグラフです。保護森林区60%、人が住むところ2%、耕作地10%、生活用森林区8%、経済活動用森林区20%。(訳が下手ですいません。)

当初は28%の森林と、54%の焼き畑農耕区でした。そして現在は、69%の保護森林区と、人が住むところ2%、耕作地8%、生活用森林区4%、経済活動用森林区4%、道路などその他13%、となっています。

住居スペースをどうやって2%に維持・管理するのか伺ったところ、与えられた住居や土地の転売を固く禁止する一方で、山を下りて市街地に住むことは認めているそうです。

8.雇用機会を作ること

今回、人と森の共存においてカギを握るのは、「経済活動用森林区」です。具体的には、5つの職業プロジェクトがあります。

①コーヒー、②マカデミアナッツ、③製紙、④織物、⑤陶器、です。

一つ一つ簡単に見ていきましょう。

 

①コーヒー栽培

なぜコーヒーを栽培することにしたのかというと、第一に、森林と共存きること、第二に、マーケットの問題があります。まず、森との共存ですが、コーヒーの丈は高くないので、「現在生えている木」をわざわざ切って農地を確保する必要はありません。また、雨季の前に、木の枝を剪定しておくことで日差しを確保し、乾季には生い茂った葉がに守られて、適度な日差しを得ることができます。そして、タイはでコーヒーベルト(南北緯25度)に含まれているため栽培に適しています。ですが、山の急斜面に畑を作らなければいけないという点と、激しい雨季にどう耐えるかがポイントになってきます。(←これに奮闘する様子は、インターンで実際に見てきましたので、3-5に書きます!)そして、2点目ですが、コーヒーの需要は年々高まっているため、付加価値をつけて販売することができ、マーケットには期待できます。

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コーヒーは苗を育てることが難しいので、ドイトゥンでは、苗床の研究所を作り、そこで適切に育てられた苗を無料で配っています。また、焙煎するための施設も無料で提供しているため、他の地域で栽培した生豆を焙煎し、パッケージに入れる作業も請け負っています。

 

②マカデミアナッツ農園と工場

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マカデミアナッツを育てようとしたきっかけは、プロジェクトに関わっていた人がマカデミアナッツが大好きだったという裏エピソードもありますが笑、大きく3つあります。第一に現在ある森林と共存できる点、第二に、商品になるまでの工程が多いので、労働者をたくさん雇用できるという点。第三に、廃棄物が出ないというメリットがあります。現在は6ヵ所のマカデミアナッツ農園があり、背丈は大きいですが、もともとドイトゥン原産の植物と同じ科であるため、生態系を壊すことはありません。また、一度植えると100年は実を作り続けます。次に、工程がさまざまあるというのは、マカデミアナッツの栽培・収穫から、殻をとり、オーブンで焼く工程、味付けをしたのちに真空パックに入れて商品にする工程などがあります。付加価値をつけて売るようにすることは、多くの労働を生み出すことにつながります。そして、最も大きな魅力というのが、第三のマカデミアナッツの殻まで有効活用するという点です!

 

③製紙

製紙は、サー紙と呼ばれるタイの和紙で、地元の植物の外皮をもとに作ります。

お正月などでの仏教行事や、ドイトゥンの商品の包装紙などにも使われています。この紙作りで、参考となっているのは、日本の和紙作りの工程や技術です。日本で実際に使われているものは高価なため、ドイトゥンでは、より安価で手軽なものを開発して使用しています。

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④編み物

すべての女性が仕事に就けるように、ということで編み物は始まりました。クッションカバーからファッショナブルな服、スカーフにポーチまで。何でもありました。

目が悪い年配の女性は糸紡ぎを、そして、体力がある若い女性は機械を使って織物を作っています。

 

⑤陶器

もともとはドイトゥンの庭園で、プラスチックの鉢植えを大量消費することは環境に良くないということで始まったそうです。なので、原料も地元の粘土を使って作っています。茨木県と提携して、技術者の育成にも取り組んでいるそうです。

日本でも、今後イケヤや無印に商品を販売していくそうなので、ドイトゥンの陶器が日本でも見れる機会がどんどん増えていくでしょう。こうやって先進国においてマーケットを作ることで、彼らの生活が本当の意味でも自立することができます。

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マカデミアナッツの仕事現場では、男性が力仕事、女性は商品づくりに携わっていました。そんな彼女たちの働く事務所の前に止まった一台のバイク!山奥にあるドイトゥンにはコンビニがないので…ドイトゥンのセブンイレブン的なバイクです。時刻は12時。これからお昼ご飯です!

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