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4-1 ラオス×障害者支援=?

第3回 山田浩之研究会のインタビュー企画では、ラオスで障害者支援活動を行う

NPO法人 ADDP(Asian Development Disabled Persons)

さんにスポットライトをあてました!

途上国=貧困というイメージが強すぎて、途上国にいる障害者の存在を忘れてしまっている人が多いのではないでしょうか?

実は私もそのうちの一人でした…

ふと、「途上国には障害者支援制度はあるのか?NPOはどのような関わり方をしているのか?」など、?マークが次々と浮かびました。

今回のインタビューでは、ADDPさんの活動内容に始まり広く障害者支援について、そして2020東京パラリンピックについてなど、多くのお話を聞かせていただきました。

ADDP事務局長であり、今回学生の私たちに情熱を持って接して下さった中村由希様に感謝申し上げます。

<ADDP東京バックオフィス 真ん中 >

    <ADDP東京バックオフィス 真ん中 中村由希さん>

 

1.Who is ADP?

Q.How to start ADDP.

1992年に、ADDP “アジアの障害者を支援する会”は設立されました。

1992年という年は、国連が定めた「障害者の10年」(1981~1991)のちょうど翌年にあたります。この10年で、世界的に障害者の権利を向上させていこうとか、法律を整備していこう、という動きにつながったのですが、呼応していくのは先進国に限られました…。

先進国は呼応する一方で、発展途上国では1日1$以下の貧困状況に置かれている国民がいる中、なかなか障害者政策は進められなかったのです。そういったギャップがすごくあるということを、当会の八代富子会長は感じていて、国連の活動をせっかくなら東南アジア各国に被益させるように活動をしようと考えたわけですね。

<前列右から2番目が八代富子会長 平成27年度には外務大臣表彰を受賞されました from ADDP Facebook>

<前列右から2番目が八代富子会長 平成27年度には 外務大臣表彰を受賞されました from ADDP Facebook>

ADDPの特徴のひとつが、日本の障害当事者の方が積極的に関わっていてくださることです。そもそも、当会の顧問である八代瑛太さんが障害当事者なんですね。

当事者自身が声をあげていかなければいけないということで、日本の障害当事者の方が講師となって「障害者リーダーシップ育成セミナー」というものを1992年くらいから、年に2回ほど様々な国でやってきました。カンボジアやタイ、バングラデシュ、フィジーなどなど…。

そのように途上国を巡っていくなかで、1995年くらいにたまたまラオスに入る機会がありました。当時のラオスはまだまだ閉鎖的で、団体結社の自由が制限されるなか、ラオスの障害当事者が声をあげる状態ではなかったんですよね。

初めてラオスでセミナーを開催し、障害当事者の人々に声をかけることをしたことで、翌年にLDPA(障害者当事者団体)が設立されました。

Q.Why in Laos.

他のアジア途上国に活動拠点を動かしてもよかったのですが…やっぱりラオスはとてもいい国なんですね(笑)。かれこれ15年以上、ラオスで活動しています(笑)。

隣国タイとかカンボジアに比べるとまだまだ遅れている国で、やらなければならないことも沢山あったんですね。今でもASEANの中でラオスは最貧国ですし、人口も660万人程度しかいないけれど、とても前向きでね。

ラオスは東南アジアに位置する、人口650万人の小さな内陸国です。

多くの途上国同様、この国でも多くの障害者が家族の庇護の下で暮らしています。

職業訓練施設も少なく、就労・起業の機会も閉ざされてしまっています。

教育を受けられないことでなおさら収入を得ることは難しく、そのため障害者就労達成率はラオス全体でも2%にも満たないと言われています(ラオス障害者協会調査)。

<from 外務省HP>

Q.What is ADDP doing.

私たちの活動の両輪は、「障害者スポーツの振興」と「就労に関わる支援」です。

まず障害をもっている人は個人としているけれど、そういった人たちが集まったりする機会は特に途上国では少ないです。そこでスポーツを介して人が集まり、楽しみ、リハビリテーションにもなる。

障害者理解のキーポイントとして、「共感」をいかに醸成できるかということを考えています。共感をいかに醸成するかということは、何もない途上国では特に重要だと思っていてね、そこでやはりスポーツは有効なツールなんですね。

今はJICAの草の根パートナープロジェクトの1つで5年間、2021年まで「障害者スポーツ普及促進プロジェクト」というものをやっていて、競技スポーツ6競技を対象としています。

『ラオスのスポーツ振興は、車椅子バスケットから始まります~(2004年頃)』

ラオスのスポーツ振興は、車椅子バスケットから始まります~(2004年頃)

『日本から定期的にプロコーチが派遣され、厳しい指導が...』

日本から定期的にプロコーチが派遣され、厳しい指導が…

Q.What 's the role model.

『中村さん自身がとても誇らしげに、ある一人の女の子の話をしてくださいました(^^)/』

ベトナム戦争・不発弾と聞くと当然ベトナムが想起されるけれど、実はラオスにも多くのクラスター爆弾が投下されていて、そのうち30%が不発弾となっています。

この不発弾のせいで身体に障害を負ってしまう人が沢山いるのだけれど、彼女もまた爆弾のせいで全盲になってしまったのね。

当時彼女はまだ8歳で、勉強がもともと大好きだったのに全盲になってしまって、毎日山奥の自宅で泣いていてね。

私たち外国人が外からギャーギャー言うよりも、ラオスの障害当事者のロールモデルから声を掛けてあげてほしいと思って、彼女と同じ全盲の20歳の男の子を連れて自宅を訪問したの。

私なんかは、女の子に対してかわいそうとか思っていたのだけれど、その男の子は「ばかみたい、勉強なんか点字覚えたらまたできるのに。点字を学んで勉強をしに、ビエンチャン(ラオスの首都)にくればいいよ」って言ったのね。そしたら女の子の顔がパァッと変わってね、その子は割とすぐにビエンチャンに来ましたね(笑)。

その女の子はもう21歳で、今はゴールボールのセンタープレイヤーなのよ(笑)。だからやっぱり、スポーツはモチベーションをあげるのね。このようにロールモデルを作るのが、特に障害者支援では大切で、当会はそれをけなげにやっています。

↓2017 ASEAN PARAで活躍するラオス選手たち↓

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